「気」はわれわれの生活の中のあらゆる所にあります。「気」が付く言葉が沢山あることからもそれは想像できるでしょう。そんな沢山の言葉のなかで、家にあるべき大事なものを選んでみました。それは、「空気」「気配」「陽気」「気迫」の四つです。それらはすべて欠かすことのできないものだと思っています。
まず、「空気」が流れる家。空気が流れることを「風」といいますが、「風通し」のいいことは家にとってとても大切です。人が生きるために必要な空気を、よどませてしまっては健康に暮らすことができません。窓を開け放したら心地よい風が家の中を通り吹き抜けていくのがいい。そんなふうにして、家全体にいい空気が流れるような家づくりをしたいと思っています。
家族数人で暮らすわけですから、「気配」というのも大事なことです。お子さんの年齢などによってはプライバシーを重要視しなければならない時期もあるでしょうが、一緒に暮らすということから考えれば気配を全て遮断してしまうのも問題でしょう。お互いの気配を感じ合うことで対話も生まれ、暖かい住まいもできていくと思います。
「陽気」とは字の如く、楽しく、元気で、にこにこ顔で、快活な様を指します。住まいの中で、常にプラス志向、積極的な行動、会話ができる陽気な状態で生活していきたいものです。ファミリールームとアウトドア(ウッドデッキ、ガーデン)の結びつきを大事にする設計を考えています。
住まいは安らぎ、おちつき、楽しみ、の空間であるのは当然ですが、社会で生きている以上、家の中でのみ生きるわけではありません。外出する時には、気持ちを切り替え、元気な「気迫」のある状態で出かけられる様、玄関やアプローチに、「一日頑張ろう。よしっ」と出かけていく感覚さを持ちたいものです。その為にも、樹木の生命力等、生き生きしている状態を醸し出すものを家づくりに取り入れています。子供達も、広々とした所ではなく、学習と就寝の為のコンパクトな空間の中で、気迫を持って学習できる様にし、また、くつろぐのはファミリールームで過ごすことも大切なことです。
そんな「気」に満ちた本物の住まいをつくっていきたい。少し観念的ではありますが、そんなふうに考えて取り組んでいます。
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